銀行の内定は勝ち組なのか?新卒採用の就活生と地方銀行の話

レインボーバンクのアイキャッチ

これはキューリー先生のお友達の話です

キュウリー先生
キューリー先生

とある銀行のお話。ここレインボーバンクは、首都圏からはるか彼方離れた地方都市に存在する、いわゆるお山の大将・第一地銀という存在。ここで繰り広げられた数々の面白おかしい出来事はもちろんフィクションなので読者の皆さんは「どこの銀行だろう?」と勘繰らないように。

目次

激化する銀行の就活、レインボーバンクは「よっちゃん」

いつの時代も「学校卒業=就職」というテーマはその人や家族を巻き込む人生の一大イベントだ。

ここレインボーバンクでも卒業を控えた学生を対象にした新卒採用面接が盛大に行われている。銀行業界はコンプライアンス重視というお堅い業界なので、大学と経団連が話し合いのもと決めた就職活動の紳士協定を順守するのが当たり前。

だけど実際は多くの企業でいち早くいい人材を囲い込むために「あの手この手」で水面下の採用活動を行っているわけ。

レインボーバンクの就活生

都会の企業はどこも必死になって優秀な新卒社員を獲得しようと必死になってインターンシップや採用説明会を開催しているのだ。

それなのにレインボーバンクは田舎銀行だから都会で吹いている就活の風を感じることなく、新卒採用を担当する人事部は「よその会社で内定もらっても我がレインボーバンクを第一志望で応募してくる就活生はいくらでもいる。余裕のよっちゃん」というお気楽ムード。

でも、よく考えてみて。メガバンクは大リストラ策を打ち出し、時代はAI化の波が押し寄せている。

昔と違って銀行業界は既に斜陽産業※1になりつつあるのでは…。学生たちもバカではない。

※1 斜陽産業とは売上や生産高が過去にピークを記録して以降、現在までに低下状態にあり回復が見込めない産業のこと

最近の新卒採用は落ちこぼれの受け皿

世の中の働き方革命なんて耳障りのいい言葉に乗っかって、優秀な学生ほどさっさと他業界の内定を取り付けて就活を終わらせているわけで、就活解禁日に「御社が第一志望です」と本気で来る学生に良い人物はいない。

そんな中から採用予定人数を確保するわけだから、レインボーバンクの先もみえている。

わずか1時間で採用の合否をするレインボーバンク

ちなみにレインボーバンクの新卒採用面接は一次選考が5人の集団面接ではじまる。

人事部が1対5で矢継ぎ早に質問をして、学生には「YESかNO」だけで応えさせる実質10分間の簡単な内容だ。

二次選考は人事部が1対1で人を替えて30分間×2回=60分の面接である。二次選考を通過すれば、このあとは最終役員面接だから実質たった2回で見極めるという神業的な作業なのだ。

レインボーバンクの採用面接
  • 1次選考 実質10分間の簡単な質問
  • 2次選考 1対1の面談を30分×2セット 合計60分
  • 最終選考 役員面接

私もいろいろな業界の採用面接を見たり、聞いたりしてきたが、田舎の中小企業の縁故採用※2ではあるまいし、たかだか1時間少々で学生の何が分るんだろうと思っちゃうけど。

レインボーバンクもいい加減だけど、本当に優秀な学生だったら「こんなに簡単で大丈夫?」って一度立ち止まって考えるはず。

※2 縁故採用(えんこさいよう)とは会社役員の親族や血縁関係など縁による繋がりや伝手(つて)の紹介で採用すること

レインボーバンクの内定者

でも、就活で出遅れた学生からすると「俺たちは晴れて天下のレインボーバンクを勝ち取った、勝ち組!」なんて気分なんだろう。

レインボーバンクと同じ上場企業の中には、最終面接まで7回~8回の面接を繰り返し、筆記試験まである会社なんかいくらでもあるのに…。お気楽だな。

新卒採用に力を入れている某企業の採用選考
  • 1次選考 書類審査
  • 2次選考 Webテスト
  • 3次選考 リクルーター面談
  • 4次選考 グループディスカッション
  • 5次選考 集団面接
  • 6次選考 個人面接
  • 7次選考 部長面接
  • 8次選考 役員面接

新卒で入行した新入行員たちのその後

レインボーバンクの新卒採用を突破して、晴れてレインボーバンクのバンカーになった新入行員たちはその後、どのような活躍をしたのか。

今回は新卒採用で入行した新人2名のその後を紹介していこう。

まるで小学校。この親にしてこの息子あり

銀行という業界はとにかく人事異動が多い世界らしい。

大きな人事異動から小さなものまで入れると銀行内では毎月何かしらの人事異動が発令される。それに加えて、その都度、歓送迎会が開催されるから大きな支店にもなると毎月のように仕事終わりの飲み会が続くわけだ。

そんなレインボーバンクのある支店の新入行員が仕事に慣れ始めた頃の歓送迎会でついつい飲みすぎてしまった。

学生の頃なら、翌日の授業をサボれば済むけど社会人となるとそうはいかない。飲み会の翌日に休むならそれなりの理由が必要だ。

さすがに二日酔いとは連絡しづらかったのだろう。そこで思いついたのが、自分の父ちゃん。

二日酔いになった新入行員の父ちゃんはレインボーバンクの別支店の支店長だったのだ。二日酔いの翌朝、父ちゃん自ら息子が勤務する支店に電話してきて「俺の息子なんだけど、今日体調悪いから休ませるのでよろしく」だって…。

息子の代わりに電話する支店長の親

小学生の親が担任の先生に連絡するのとよく似てる。こんな親子が銀行内にはびこっているんだから、まともな感覚でお客さんの対応なんて期待しないほうがいいのかも。

受けては落ちる。試験に苦しむ新入行員

銀行業界は金融商品を扱う仕事が多いため、入行してからとにかく試験が多いのが特徴だ。

試験の内容は資格試験や銀行業務検定などでとにかく種類が多い。それら試験に次々と合格していかないと昇進できないシステムになっている。

試験勉強に苦しむ新入行員

レインボーバンクの新入行員もそこそこ頭はいいはずなのだが、なかには例外も紛れているようだ。

特に高校、大学をスポーツ推薦で突破してきた新入行員にとって、次々ある試験のシステムは悲劇かもしれない。

学生時代はスポーツだけで生きてきて、そこそこの高校、そこそこの大学に入って卒業はしたものの、残念ながら地頭は決してよくはない。

結果、社会人になった今、試験を何度受けてもことごとく落ちまくる。本人が一番惨めだけど、まわりの上司も部下の管理責任を問われる。

その結果、数年で退社というのもよくある話みたい。そもそもそういう学生を採用したほうが悪いと思うんだけど…。

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この記事を書いた人

【年間接客数350人以上】
・現役の保険ショップ定員
・金融業界に勤続25年
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「万能な保険はない!」
「中学生でもわかる保険の知識!」がモットー

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